概要
Zoomは、IP範囲に基づいて音声とビデオに割り当てられる帯域幅を制限する設定オプションを提供します。この機能は、ネットワーク設定に精通している管理者向けに提供されており、ポリシーは、特定の場所で制限があることが知られているローカルネットワークを対象としています。
この機能を使用する前に、Zoomのサポートチームに連絡し、アドバイスや相談を受けることを強くお勧めします。帯域幅の制限は、非常に特殊な状況でのみ行う必要があります。Zoomミーティングクライアントは、必要に応じて帯域幅を測定し、割り当てるように設計されています。ほとんどの導入や状況において、クライアントは追加のポリシーなしに、利用可能な帯域幅の変更や制限に対応できます。利用可能な帯域幅を計算することが許可されている場合、クライアントは常に最高のユーザーエクスペリエンスを提供します。帯域幅を制限するポリシーを導入する場合は、帯域幅の減少が品質に影響を与えることを認識する必要があります。
この記事の内容:
前提条件
- アカウント設定にアクセスできる役割
- Zoom クライアントのグローバル最小バージョン以降
- Zoom Roomsバージョン 5.16.0 以降
手順
- アカウント設定を編集する権限を持つ管理者として Zoom Web ポータルにサインインします。
- ナビゲーション メニューで、[アカウント管理]>[アカウント設定]の順にクリックします。
- [ミーティング] タブをクリックします。
-
[ミーティング内 (詳細) ]で、[ネットワーク帯域幅の制限] トグルをクリックし有効にします。[制限を追加]と[CSVをインポート]が表示されます。
-
制限を追加するには、次のいずれかを実行します。
-
[制限を追加] をクリックし追加します。一度に1 つ追加可能です。
例:
-
[CSVのインポート]をクリックして、制限のリストを一括インポートします。
※サンプルファイルは「 よりダウンロードが可能です。
注:1つのcsvファイルあたりの最大項目数は600以下である必要があります。また、「0」はこのオプションが有効でないことを、「1」はこのオプションが有効であることを意味します。新しい制限は、既存の制限より優先されます。
注:サンプルから加工したcsvファイルは以下の手順で「utf-8」にしてからインポートします。
1.名前を付けて保存でファイルの種類を「CSV UTF-8(コンマ区切り)(*.csv)」に変更し保存
2.保存したcsvファイルをテキストで開く
3.名前を付けて保存で「BOM」のチェックを外して保存
-
[制限を追加] をクリックし追加します。一度に1 つ追加可能です。
- 制限追加後は[帯域幅制限を管理(*)]をクリックすると設定の管理が可能です
※上記設定を無効にした場合でも、再度有効にすれば以前の設定が残っています。
帯域幅制限ポリシー
帯域幅制限ポリシーは、必須情報とオプション情報の両方を使用して定義されます。以下は各ポリシーのフィールドの概要です。
- 名前(Name):必須/最大 50 文字
- 説明(Description):オプション/最大 100 文字
- IP範囲(IP Range):必須/IPv4 値の標準形式
- アップストリーム(Upstream):必須 /最小 800kbps
- ダウンストリーム(Downstream):オプション/最小 800kbps
- Label this limit:オプション
- ExclusionRange:オプション
-
オプション:オプション
- 動画を送信しません:チェックボックス
- 動画を受信しません:チェックボックス
各ポリシーのフィールド
名前
これは、作成される制限ポリシーを識別するために使用される必須フィールドです。名前の入力にルールはありませんが、ポリシーを作成する IP 範囲を場所またはネットワーク ID と関連付けることができる名前をお勧めします。
説明
これは、作成されたポリシーについてより詳細な情報を提供するために使用できるオプションのフィールドです。説明を追加することは、設定された内容を確認する人にとって、ポリシー情報が明確であることを保証するために推奨される手順です。
ポリシーが時間の経過とともに増加する場合、説明を追加することは、後でポリシーを見直すとき、および以前の設定を理解する必要がある管理者の役割を担うようになる人に有用です。
IP範囲
注:作成するIP範囲は、IPv4形式である必要があります。
これは必須フィールドであり、帯域幅制限の適用方法を決定するための主要な情報です。このフィールドは、範囲とサブネットマスクの両方をサポートしています。ポリシーを設定する前に、IPv4範囲設定のためのネットワーク用語について十分に理解しておくことをお勧めします。
アップストリーム
クライアントからミーティングへの音声・映像の送信に割り当てられる最大帯域を設定するための必須項目です。
この値は、参加者の音声とビデオだけでなく、プレゼンテーションを共有するときに割り当てられる帯域幅も制限することに注意してください。低い値を設定すると、他の参加者が受信する品質に影響を及ぼします。利用可能な帯域幅を大幅に削減すると、特にビデオの品質が制限されます。帯域幅が制限されている場合の会議のビデオでは、他の参加者が受信する解像度が低くなるのが一般的です。最小値では、参加者がスピーカーモードに切り替わって画面いっぱいに表示されたときに、解像度の低下が特に目立つ場合があります。
ダウンストリーム
これはオプションのフィールドで、ネットワーク帯域が極端に制限されている場合にのみ設定する必要があります。ユーザーは、さまざまな視聴オプションを選択することができます。レイアウトが異なると、コンテンツと一緒に受信する参加者の音声/ビデオストリームの数に応じて、異なる帯域幅の割り当てが必要になることがあります。ポリシーで値を制限して受信帯域を制限することで、容量が問題となるネットワーク上の複数のユーザーに対する制限に対処することができます。
しかし、最大容量への対応に役立つ一方で、帯域幅が利用可能な場合でも、この制限によって単一ユーザーの品質が制限されます。多くの導入事例では、ソフトウェアクライアントのネゴシエーション機能とネットワーク帯域幅条件の変化への適応機能により、ポリシーによって帯域幅を常時完全に制限するよりも、それらの変化に適切に対応することができます。ダウンストリームポリシーを使用して音声/ビデオおよびコンテンツを制限する前に、Zoomに相談してください。
Label this limit(ラベル)
これは、2022年に「ネットワーク帯域幅を制限」設定オプションの強化として追加されたオプションフィールドです。この追加により、管理者は帯域幅制限ポリシーを整理しやすくなります。
多数のポリシーがある場合、特定のポリシーを見つけたり、一連のポリシーがどのように場所をサポートするように意図されているかを理解したりすることが困難になることがあります。ラベルは、管理者が関連するポリシーをグループ化する方法を提供します。ラベルとサブラベルの両方を作成できるため、1つの場所に対して複数のポリシーを作成し、ラベルを使用してそれらを整理することが可能です。
ExclusionRange(除外レンジ)
これは、管理者にIPアドレスの範囲を制限する能力を提供するオプションのフィールドです。除外範囲を使用すると、同じ目的を達成するために2つのポリシーを作成するよりも効率的になることがあります。
オプション
ビデオの送受信を完全に禁止するためのチェックボックスが2つあります。項目名は「動画を送信しない」と「動画を受信しない」です。これらのオプションは、ミーティング参加者が必要とする帯域幅を大幅に削減しますが、ユーザーエクスペリエンスも大幅に制限されます。これらのオプションは、容量が限られており、他に選択肢がないネットワークにのみ使用する必要があります。
インポート
帯域制限ポリシーを作成するには、[制限を追加]を使用して個別に作成する以外に、[インポート]ボタンを使用して複数のポリシーを含むファイルを選択し、一括インポート操作を行うことも可能です。インポートオプションには、正しい順序で値が記述されたカンマ区切りの値ファイル(.csv)が必要です。
また、サンプルファイルも、インポートダイアログボックスに用意されています。もう 1 つの方法は、[+ Add Limit]クリックしいくつかのポリシーを作成し、[Export All]でCSVファイルを取得することです。どちらの方法でも、スプレッドシートを使用してIP範囲とポリシーを定義するための有用なリファレンスを提供します。
CSVファイルを使用してポリシーをインポートする場合、ファイルの各行が形式と入力要件を検証するためにチェックされます。エラーが検出された場合、インポート操作は停止します。管理者がどの行を修正する必要があるかを理解するのに役立つように、エラーを含むファイルをダウンロードするオプションが提供されます。すべてのエラー条件が修正されると、インポート操作が許可され、CSVファイルのコンテンツがデータベースに追加されます。
インポートオプションは、既存のルールがインポートされたルールと一致するIP範囲を持っている場合、既存のルールを置き換えます。重複する IP 範囲を定義しているルールはインポートされません。
Export All(すべてエクスポート)
作成された既存のポリシーは、 [Export All] オプションを使用して、スプレッドシートにインポートして参照および変更できるカンマ区切り値ファイル (.csv) としてエクスポートできます。(UTF-8にします)
スプレッドシートに加えられた変更は、インポートオプションを使用して Web ポリシーにインポートすることができます。
こちらの記事は、「Limiting network bandwidth」を元に作成しました。