概要
Neat BarやNeat Bar ProとNeat PadをWi-Fi環境でペアリングする際によくあるトラブルおよび想定される原因についてまとめました。まずNeatのペアリングについて理解し、ペアリングフローおよびそのフロー上で問題が発生しやすい箇所と想定される原因を記載いたします。
なお、NeatデバイスのWi-Fiに関する記事は以下をご確認ください。
Neat製品のペアリングについて
Neat BarとNeat Padには以下2段階のペアリングが行われます。ここではこの2段階のペアリングについて理解します。
- Neatレベルのペアリング
- Zoomレベルのペアリング
Neatレベルのペアリング
Neat レベルのペアリングは、Neat Bar - Neat Pad または Neat Bar Pro - Neat Pad 間でのみ行なわれます。ペアリングをすることで以下のようなNeatレベルでの設定を制御することができるようになります。
- ネットワーク
- ビデオ オプション
- オーディオ オプション
- リセット/再起動など
NeatレベルのペアリングはNeat Pad とNeat Bar/Neat Bar Proが同じサブネット上にある必要があります。Neat PadとNeat Bar/Neat Bar Proは、mDNSプロトコル(マルチキャスト DNS)を使用して、お互いを検出(およびペアリングを維持)します。これらのマルチキャストパケットは、常に2つのデバイス間で疎通する必要があります。
また、初期の検出/セットアップ中に、Neat PadとNeat Bar/Neat Bar Proは TCP ポート 46000 および 46001 の IPアドレスを介して通信することもあります。セットアップが完了すると、Neat ファームウェアは TCP ポート 8443 を介して暗号化された通信を送信します。
ペアリングのステータスは Neat のシステム設定で確認でき、正常な場合は「Neat Bar とペアリング済み」と表示されます。
Zoomレベルのペアリング
Neatレベルのペアリングが完了後、Zoomレベルでのペアリング(Zoom Webポータルより発行したアクティベーションコードを使用してサインイン)を行ないます。これによりZoom Roomでのミーティング制御(ミーティングの開始、参加、ミーティング中のコントロールなど)ができるようになります。
Zoomレベルのペアリングの流れは以下の通りです。
- Neat Bar/Neat Bar ProとNeat Pad のペアリングに成功
- Neat Bar/Neat Bar ProとNeat Padは以下ソフトウェアをそれぞれ起動
- Neat Bar/Neat Bar Pro:Zoom Rooms Applianceソフトウェアを起動
- Neat Pad :Zoom Rooms Controller ソフトウェアを起動
Neat PadおよびNeat Bar/Neat Bar Proで実行されているZoomソフトウェアは、TCP ポート9090のIPアドレスを介して通信します。
参考記事:
Wi-Fiペアリングフロー
Neat BarやNeat Bar ProとNeat Padを購入し、セットアップする段階から簡単にまとめました。ここでは例としてNeat BarとNeat Padの組み合わせで記載しますが、Neat Bar Proでも同様のフローとなります。
ペアリングフロー
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Neat BarとNeat Padを箱から出す。
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Neat Padからセットアップする。
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Neat Pad上でアクセスポイントを指定しWi-Fiインフラに接続。インターネット接続が可能になる。(Neat Padが接続されているPoEインジェクタのネットワーク接続ポートにはLANケーブルを接続しない。給電用ポートのみに接続)
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Neat Bar起動する(Neat BarにはLANケーブルは接続しない)。
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Neat Pad上にNeat Barのシリアル番号が表示される(←ここでお互いにWi-Fiダイレクトを使用し無線にて直接接続する)。
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Neat Pad上からNeat Barのシリアル番号をタップする。
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以下のフローでペアリングが始まる。
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Neat PadからNeat Barにネットワーク接続情報(SSID、パスワード、プロキシ設定など)が転送される。
- Neat Barは8の情報を元にNeat Padと同じアクセスポイントへ接続する。インターネット接続が可能になる。
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Neat PadやNeat BarはmDNSプロトコル(マルチキャストDNS)を使ってお互いを検出(したりペアリングを維持したり)する。
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Neatレベルのペアリング完了。
- Zoom Roomsアプリケーション起動。
- Zoomレベルのペアリングへ。
- Zoomレベルのペアリングが完了するとZoom Roomsとして利用可能となる。
問題が発生しやすい箇所と想定される原因
フロー「9」でNeat PadからWi-Fi情報をもらったNeat Barがアクセスポイントへ接続するタイミング
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Neat Barが何らかの理由(考えにくいがNeat BarのみMACアドレス制限などで)ネットワークが取得できない
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Neat Barはアクセスポイントからネットワーク情報もらえたが、Neat Bar - Neat Pad間で使用することのあるTCPポート(46000 および 46001)が制限されている
フロー「10」でmDNS関連の問題
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Neat BarやNeat Padがお互いにマルチキャストが届かない場所(片方が有線LANに接続していた等別セグメント)にいる
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同一サブネット上でmDNSが有効になっていない
- プライバシーセパレーター機能によりお互いが疎通できないためマルチキャストが届かない
切り分けとして
別のネットワークに接続してみる
別のWi-Fiインフラ(特に、制限がかかっていないゲスト用やスマートフォンのテザリングなど)がある場合はそちらへの接続を試してみることで、Neat製品自体の問題なのかネットワーク環境の問題なのかが切り分け可能です。
ネットワーク要件を確認する
Neatのネットワーク要件を確認します。
初期化してみる
もともと有線LANで使っていたものをWi-Fi接続に変更する際なども含め初期化が必要になる場合があります。制限のかかっていない別ネットワークへ接続してもペアリングができない場合、一度機器を初期化してみましょう。初期化の所要時間は1分程度です。